★ 第1回 ★
1 檀波羅蜜−波羅蜜は完成。檀は布施。財または法を人に与えること。 大乗仏教では六波羅蜜を定め、その内檀波羅蜜を最初に置いて、最も尊重 した。 「尸毘王、懐に入ってきた鳩の命をを、鷹から救うため、自らの身体を鷹 にさし出した」 2 持戒波羅蜜−戒律を守ること。十善(不殺生・不偸盗ちゅうとう・不邪淫・不妄語 ・不綺語・不両舌・不悪口あくく・不無瞋恚しんに) 「須陀摩王、不妄語を守る」 3 忍辱波羅蜜−恥をしのんで怨まないこと。 「忍辱仙人、歌利王に切り刻まれても怒り怨むことはなかった」 4 精進波羅蜜−心身を精励して他の五波羅蜜を実行すること。 「波羅奈国(中インドガンジス川流域にあった)の子、大施だいせ太子、 貧しく殺生を繰り返す衆生のために、如意珠をとりに行く」 5 禅定波羅蜜−心を純一にして考えること。 「正闍梨しょうじゃり仙人、頭に鳥が巣を作り、巣立ちするまで禅定を続 けた」 6 般若波羅蜜−智恵、実相真如(存在の本質をあるがままに感じること)を知る智恵 「拘賓くひん大臣、閻浮提の七国を平等にして争いをなくしたこと」 7 流水長者(人徳あって財豊かな人) 「二人の子とともに、干上がった池の魚を助け、それらに仏法を説いた こと」 8 堅誓師子−仏法を信じる獅子の金色の毛皮欲しさのため、僧の姿で近づき、これを 射殺した猟師。毛皮を国王にさしだし、かえって罪を得る。 9 鹿しし王−鹿の王は国王の狩りをやめさせるために、一日一匹の鹿を国王にさしだ した。ある日、いやがる鹿にかわって自分から国王のもとにおもむく。国王驚い て以後鹿を食べないことにした。 10雪山(今のヒマラヤ)童子−羅刹の半偈を求めて、自分の体をさしだす 施身聞偈せしんもんげ 玉虫厨子 11薩土垂(さった)王子−飢えた虎に自分の身体を施す。 玉虫厨子 12須太那(しゅだな)太子−宝や白象だけでなく、子や妻までも人に与えた太子が、 民を豊かに、世を太平にした話 13施無−迦毘羅国(カピラバスツ釈迦誕生の国)の盲目の長者夫婦の子。 孝子施無、山中で誤って国王に射殺されるが、孝子であるが故に帝釈天に再生さ れる。
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