★ 第2回  ★


   六道別(除く、地獄)
    1天−上5 大部屋栖野古の連の公P42 三日で蘇生
          上13 女、霊草を食べ仙人と化して飛天
     上28 役の優婆塞、孔雀明王の呪法を修め、仙人となって空を飛んだ
          中42 涅槃経「母は子を慈しみ育てることによって、おのずから天界に生ま
        れる」
       上13,28は中国の神仙思想。
            「天」はサンスクリット語のdevaの役で神の意。バラモン教では『リグ・
     ヴエ−ダ』以来33とも3339ともいわれる多数の神が信仰されたが、その多く
     は自然現象が神格化されたもの。deva(本来、輝くもの)はギリシャ語zeus 
    やラテン語deusと語源を同じく、したがってバラモン教の神の概念はギリシャ、
    ロ−マ両神話と共通するところがある。
  2人− 上3  大和の国の放光の僧願覚、近江の国に生まれ変わる。
            上18 大和の国の人、前世伊予の国で焼いた法華経の一文字が覚えられな
        い理由を知り、それを修復すると覚えられた。
            中30  前世で貸した者を返さなかったことを怨み、その女の子と生まれ、
          絶え間なく物を食べて復讐しようとした。
            下39  智恵と修行を兼ね備えた僧善珠(ぜんじゅ)、予言どおり桓武天皇
         の子大徳親王に転生し、あごの黒子によってその事実が確認される。
            下 39  伊予の国の修行の僧寂仙菩薩、予言どおり嵯峨天皇に生まれる。

  3阿修羅− サンスクリット語の音写。血気盛んで闘争を好む鬼神の一種。もともと
        善神であったが、インドラ神(帝釈天)の台頭とともに、彼らの敵へ。
                三悪道の一。高慢な者や猜疑心の強いものが死後堕ちる。
        また、天竜八部衆では仏法守護神の地位。
                興福寺の阿修羅像(三面六臂)  悲惨な闘争の場−修羅場
        阿修羅を地獄に収める五道の考え方もある

  4畜生−上10 大和国の人、人に与えるため子の稲十束をとった報いで、牛に転生
         して罪を償う。(牛の口から前世の罪)
            上20  延興寺の恵勝、湯を涌かす薪を人に与え、牛となる(前世を自覚)
            中15   法華経を写して供養することにより、子のものを盗んだことによ
          って母が雌牛となったことを知る。(牛の口から前世の罪)
      中32 赤麿寺のものを借りて返さないままに死んだので、これを償うため
         との碑文を背負った牛に転生する。(牛の口から前世の罪、夢)
            中38  けちで欲深いために大蛇になった。(生前から覚悟)
      中41  父、子の軽く走るのを狐のようだと言ったため、子死して狐とな
          る。  言霊信仰
            下 2 前世で狐を殺した病人、その狐の霊によって殺され、その狐の予言
         通り、僧にとりついた狐を犬に生まれ変わって殺す。
      下24 東天竺国王、修行僧の従者を減じた罪で、猿身の陀我(たが)大神
         となる。
      下26    不当なことを押しつけて貸したものを徴収し、多くの利息を取っ
         たために、牛(上牛、下人)に生まれ変わる。(牛の口から前世の罪)
            牛は大陸から渡来した家畜。役畜を主として、一部では食用にもされた。長
     崎の一部や沖縄県では、牛のことを「タジシ」と称するが、古語でシシとは食
    用にする肉を指すから、これらの地方では田で使役する食用動物と考えていたら
    しい。しかし、仏教が民間にも普及すると牛を食用とするのは禁忌となり、わず
    かに薬用として乳が利用されたが、これも貴族など一部に用いられただけで、律
    令国家の衰退とともに止んで、我が国では牛はまったくの役畜のみとなった。
      酷使される畜生。出曜経(すくようきょう)、成実論などに教えているように、
    者を盗んだり返さなかったりすると牛羊、鹿、驢馬などに生まれ、ひどく使い追
    われる。

        メタモルフオ−ゼ独(変身物語) 賞罰−褒賞なのか罰なのか−上昇的下降的
            『世界シンボル大辞典』(大修館書店)−「変身の価値」変身は、存在の基
        本的な統一性の信仰である。知覚できる外見などは、錯覚させ、一時的
        な価値しか持たない。形態が変化しても、個体性の深層には、どんな影
        響も及ぼすことができないようである。

  5餓鬼  生前嫉妬深かったり、物惜しみやむさぼる行為をした人が行くところ。飲食
     物を得られない飢餓状態。        よく食う−子ども−餓鬼
     鎌倉時代初期昨『餓鬼草紙』
            餓鬼道じ受苦と救済−中国日本通じてよくおこなわれたのは(釈尊の弟子、
     神通第一)「目連救母説話」盂蘭盆の由来。『盂蘭盆経』、我が国ではまず『三
     宝絵』下24、『源氏物語』「鈴虫」、『宝物集』など。
      


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